・狼と香辛料 VIII 対立の町<上> 著:支倉凍砂
「狼の足の骨」の情報を得る為に、港町ケルーベまでやって来たロレンス。
追っているエーブを待ち伏せる為にしばらくこの町に滞在する。
港町ケルーベは三角州を挟んで北と南が対立している風変わりな町だった。
そこでロレンスを待ち受けていた騒動とは…。
――
同じ町なのに北と南で対立しているとかおかしな話だよね。
いっその事独立して違う町になってしまえばいいのに。
あーでも土地は動かす事できないんだから事態は余計に悪くなりそうだわ。
エーブはちょっと頭がキレる俺女商人だと思ってたがこの巻読んで考えが変わった。
ちょっとどころじゃない、かなり頭がキレる!何より執念が凄い。
それでもこの町では不遇な立場に置かれているとか。
そんなエーブに同情の感情すら芽生えてくるわ。
イッカクを巡る北と南の動きはホント欲丸出し。
まぁ天文学的な価値があるらしいからね。金は人を平気で壊す。
最初にイッカクを見付けた人はよくそのまま持ち出さなかったなー。
あまりにも価値がありすぎて逆に持ってるのが不安だったかもしれん。
例えば俺がダイヤ100kgも持ってても怖くて引き渡しちゃうって。
こうなるとロレンスも迂闊に動けないのは当然。
そしてローエン商業組合のキーマンによって窮地に立たされる。
エーブと組合…どちらの味方につくのかという究極の二択を迫られる。
このキーマンが恐ろしい程のやり手。この頭のキレっぷりはエーブに匹敵する?
今までの話で活躍してきたロレンスがまるで赤子同然だ!
なんつーか今回はホロの存在が霞む程に圧倒されたわ。
もちろん微笑ましい場面もあったけどそれどころじゃねーよ!みたいな。
今までにない超高レートの取引に巻き込まれたロレンスの運命や如何に。
続きは次巻にて。