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狼と香辛料 X

狼と香辛料 X 著:支倉凍砂


「狼の骨」を保管しているらしいブロンデル大修道院に行く為、
海を渡って島国ウィンフィール王国までやってきたロレンス達。
現在ウィンフィールは経済的な危機に貧していた。
これを機と見てその土地を狙う同盟がやって来ているという。
不穏な空気が漂う中、ロレンス達は修道院に近付けるのだろうか。

ロレンスは一体どんだけ巻き込まれれば気が済むんだw
まぁ今回は巻き込まれざるを得なかったというか…。
骨の在り処を探る為には教会に関わるしかなかったからね。
ケルーベでは街の力関係をも動かす大取引だったけども、
今度は世界的に巨大な経済同盟・ルウィック同盟vs大修道院ですよ。
中世ヨーロッパの教会といえばそりゃ絶対的な権力を誇っていた。
この作品の世界もそれに近いだろうから大修道院が潰れそうとか
こりゃまたとんでもない事なんだろうなぁ。
ロレンスはそろそろ胃を痛めて倒れてもおかしくないと思うんだw

さわやか系商人ピアスキーとのやり取りだけども
動揺しないフリしても態度にちょこちょこ出ちゃってるのが微妙に萌えだ。
それが人間の正常な反応ですよ!商人共は裏がありすぎて怖いんだよ特にこの世界は。

今回のホロの見所はとある老羊飼いとのシーンだろうか。
あんなホロは初めて見た…あそこまで取り乱すなんて。
ってこれ詳しく書くと激しいネタバレになっちゃうわ。
一言で言ってしまえばあの老羊飼いが凄くいたたまれない。
そりゃもうワガママとか言えなくなる話でして…。

終盤の起死回生の展開に興奮しちゃったよ!
あの局面であんな案を出したロレンスは天才すぎるだろ。
商業組合の間で名前が広がってもおかしくないわ。

いやー相変わらず面白かった。
でも取引の規模がインフレってるけどこれからどうすんの?
という不安を隠さずにはいられない。