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とある飛空士への追憶

とある飛空士への追憶 著:犬村小六


「貴様にひとつ、重大な任務を託したい」

「次期皇妃を水上偵察機の後席に乗せ、中央海を単機敵中翔破せよ」

あまりにも荒唐無稽な指令を受けたレヴァーム皇国の飛空士シャルル。
自分のような敵国である天ツ人の血を引いた流れ者上がりが何故…。
シャルルは複雑な心境を抱きつつ、ファナと二人きりの空の旅が始まる。

各地で高評価を得ているラノベ。
非常に興味があったので俺も読んでみた。
結論から言ってしまえばこれがとんでもなく大当たりだったわけでして!
当初はこの持ち上げられっぷりは大げさなんじゃねーの?と思ってたけど、
そんな考えを一発でぶっ壊すぐらいの納得の出来。

内容は至ってシンプル。
シャルルはファナ護衛の任務に就き、道中の危機を乗り越えていくもの。
身分違いの恋愛要素も含んでいる、という感じ。
序盤はここからどういう展開に持っていくんだろうなーという軽い気持ちで読んでた。
そしていざ任務が始まったらストーリーに引き込まれる引き込まれる!
シャルルとファナのやり取りにニヤリとさせられるわ、
戦闘シーンでは唾を飲み込む音が周りに聴かれそうなぐらい緊張するわ、
怒涛の展開に加えて上手く魅せてくれるもんで読むのが勿体無いぐらい!

それを引き立てているのがこの文章力。
決して複雑な言葉を用いているわけでも個性的な文章というわけでもない。
シンプルに「読みやすい」。表現力が上手いというべきだろうか。
なんだろう…その情景が容易に浮かんでくるぐらいに適確な表現を用いているというのかな。

戦闘シーンの迫力は必見の一言。
キャラクターは多くないけれど魅力は十分。
ファナが可愛いくて仕方ない。萌え要素を押し出してるというわけでもないのに魅入られちゃう。
それだけにシャルルとはもっと親睦を深めて欲しかったね。

多くのレビューで書かれていたんだけど、ジブリ映画のような壮大さを感じた。
ラノベでこんな感動巨編に出会えた事をホントに嬉しく思います。
ラノベや小説を読む人は是非手にとって読んでもらいたい作品ですわ。