発売日が過ぎていたのを忘れて慌てて購入。感想でもつらつらと。
薫と葵は相思相愛の仲であるにも関わらず、大手財閥の(元)次期当主及び大企業の跡取りという宿命を持って生じた弊害により本当の幸せの形を掴み取れないままでいる。
二人の絆を隔てようとする様々な試練に立ち向かいながら、幸せになる最良の方法を模索するのが本線だ。
本線と同時進行で繰り広げられるのは、薫の大き過ぎる優しさによって生じた多角関係にある人間ドラマ。
そして脇役までにも焦点を絞った登場人物個々のサブストーリーをオムニバス形式によって紹介。
これらを全て合わせる事によって「藍青」を支える重厚なストーリーが形成されている。
上記で簡単に「藍青」について紹介させてもらった。
今までは様々なストーリーがバランス良く掲載されていたが、今巻では過去に出来てた伏線を回収しながら本線を進めている。
そして一番のヤマ場は葵に与えられた究極の選択…最愛の人を裏切るか(裏切ると言うと語弊があるかもしれないが…)幼少より支えられてきた人達全てを裏切るのか。
究極の二択というのは他の漫画や小説にも沢山出て来る。それも多くは人の命に関わるものだ。
葵の二択は人の命に関わるものではない…だが葵の性格、薫を想う気持ちの事を考えたら、葵にとってそれがどれだけ大きくて重い選択なのかというのが読み取れると思う。
ここでキーワードとなる人物は本当の「花菱薫」(以下:メガネ薫)だろう。
メガネ薫は薫(本条の方。主人公ね)に対する復讐心で溢れている。たぶんメガネ薫は葵の事なぞ好きと思ってないだろう…。
葵がメガネ薫の底に渦巻く憎悪に気付けるかどうかだ。そうすれば安易に葵から答えが出そうだが、それを阻むのはメガネ薫が事実上の花菱家の当主である事と、故・薫の祖父の遺言状。
ここで重要になってくるのが薫の今後の行動だ。メガネ薫を廃人に追い込むとかすれば解決するかもしれないが、薫はそんな事しないだろうなぁ。
後は雅の行方も注目したいところ。雅はやはり知っているんだろうな…。
まぁ長々と書いちゃったけど「藍青」面白いしねー。
あと俺は単行本派なんでヤングアニマル誌でどこまで進んでるかってのは知りません。
もしかしたら幾つかの伏線の答えは出てるかもしれないが、そこら辺は黙秘でお願いします。
次回はまたあと約半年…。